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地域のコミニュティからの独立 その5

村人も多くいます。役に当たってる人の祖父が前の時したんだっけか?なんて声も。この役は軒で役が決まってるのでその家の誰でも会議には出席可能です。

 

出席者の多くは家の家長、もしくは家督を継ぐ者が多いのですが、会議だけなら女性や若手でも代役の時もあります。

通常は月一の会議があり、区長が議長となり、行政からの連絡事などを地域の決め事の確認やイベント等の注意事項その他を議題として伝える場であり、集金の回収や必要書類の提出を行う事もあります。

月一ほど頻繁ではなくとも、ココまでは他の自治でもある事です。任期も1年の所も多いと聞きますし軒数の多い所では人生で1,2回、担当するぐらいの所もあるでしょう。

 

当地区は村の重役以外の人もそれに加えて別の役職が付いてきます。山、寺、土木、水利。この4種類が大きなもので、どれかの役を強制的の当てはめられます。もちろん、あまりに関係のない部分の所属は考慮してくれますが、絶対にどれかに関わるのです。ワタクシはこの中の山の会計を担当する事になります。前にも書きましたがワタクシは山持ちではありませんし、山の何か?に詳しい事もありません。この山には神事も含まれるので会計としてはコレに関わる費用の管理と年1回の会計報告、書類の作成が別個の仕事。もし山で何か警察が関わるような事件や火事等、イレギュラーな事が起これば仕事はできません。水利は主に田、畑持ちの家や関係者、経験者が担当しそれ以外は土木部、寺は地区の寺である為、関わる行事や地域のお墓の管理等が役回りとなります。

 

イレギュラーが無ければ山は一番仕事が少ないのですが、万一、自殺等があれば大変です。自殺も含め行方不明や事故死は過去にこの地でも例があります。

 

 そしてこれも通常の自治会でも一部はあるでしょうが、防災訓練地区代表参加、クリーンキャンペーンの区分リーダー(地域の住民での清掃)、集会所の清掃(順番)、仕事がある現役世代には特に厳しいが、資源ごみの回収立ち合い(主に缶瓶中心・時間は平日AM8:00~10:00・順番)、地域の墓地のゴミ回収(順番)、担当地区の広報配布(順番で区長の所に取りに行き、役に当たっている方々の家へ届ける。重いので車がないと厳しい)これなんかは自治体によっては全戸必要なので外部の業者が配布、もしくは郵送になっている場合が多い。役員が配布する事によりこの費用を地区の費用もしくは役の親睦費となっている。以上の順番的な仕事は年1,2回です。

 また大事なお盆月の8月の第一日曜の早朝に全役員で墓地の草刈り・清掃。今は熱中症対策もあり夜明けと共に始まります、そして地域最大の行事・祭りの強制参加、その他、町のイベントの地区代表など通常の住民が関わりそうにない、したくない事は大体、代表として出なければならない。

 

 他地区からは事情の知らない者にとっては薄々は大きな流れがあるので分かるが、それでもこの地区は賑わっていると言うか大きい部落に見えており、各種イベントにも人手不足過疎を感じさせない。お祭りでもそう。外部者の人を入れたりしてる。まぁ大阪弁で言うええかっこしい(格好付ける人)な地区である。昔は掛け値なしに凄かったんだけどね。とにかく手を抜く事はしない、できない地区。 

 

 他地区のコミニュティでこれ以上の田舎もあるだろうし、もっと凄い事もあるに違いないが、それはその地で生活している人の繋がりの強さ、血の繋がりがベースにあり、縁もゆかりも無い他者がそこへ加わるのは難しいはずである。まして地元以外に仕事がある人、特に会社員はとてもじゃないが受けれるものではない。これが大都会大阪の近郊であるんだから・・・

2019年でこれである。

 

 自治会の参加は強制ではないマンションなら半分以下の仕事であり、外部委託も多いだろう。マンションの住民の管理組合の仕事は別のモノであり、草むしりや共有部の清掃は委託会社や日勤の管理人が請け負っているはずだ。現に今いるマンションは田舎ではあるが、臨時の何かがなければ年1回の総会だけである。

 

 そしてこの難しい地区のまとめ役である区長は役の当たっている人達で決める形が風習で選挙ではない。

誰でも出来る仕事ではないので自分がなる事はおそらくないとは思うが、もし60過ぎてこの地で暮らしていれば重鎮の一つには人不足でならざるえない可能性はあると感じる。

 

 その話は飛躍かもしれないし今は置いておくが、この地で続く旧家を中心に過去に区長をしてくれた方の子孫や田畑・山を持つこの地の歴史・風習に明るい人を区長候補としてピックUPする。誰でも出来ない理由は人格者以外にも土地特有のしがらみもあるし流れを知る人物で無いといけない。加えて先ほど述べたこの地方の中心である当地区は他地区の要望や連携をも考えなければならない。例えば一例として川の水を田に引き入れるのでも水を止めるのだから下の地区にも事前連絡は必要だし順番もある時期もあるし必要が重なる事もあるだろう・・・その他にも影響があるかもしれない。それの長はこの地の区長でもある。田舎の自治は行政や警察が解決できない事や入り込まない、込めない事も多い。

 

 さらに区長は行政とのパイプ役でもあり、地区の苦情の最終的な行き場にもなる。以前の区長と話をする機会があったが最低1日10件は電話があると言う。そして給与は無い。

 一部の住民からの意見として議員報酬を減らして一部を区長に配布したらどうだとの声も聞く。報酬も無いのに悪い事は区長に。上手くいっても褒められる事は少ないし見返りも無い。

 もちろん区長に対して尊敬と感謝の心は住民みんな持っているが実質は名誉職となっている。特段、特権があるようにも思えない上に支出は多くなる。それでも誰かは受けなければならないし、先ほど述べた事情もあるのでまだここでは選挙や立候補と言った事は無い。

 今はある程度フットワークが軽く動ける人でないとダメと言う流れになっており、他地区の区長も最近は60代が中心である。つまり60~70前後の当地に詳しく、ある程度、時間・資産に余裕のある人でないといけない事になる。実際に寿命は延びているし当てはまる人物は70歳以上の方が相応しい人が多いが、先ほど述べた流れもあり受けてくれる方が無い。

 

 一昔前は隠居の世代で地域の仕事を受けてくれる方が多かったが、子世代は核家族化してこの地を離れており、健康であれば田畑、もしくはパートやシルバーの仕事で労働している。それ以上の年齢になると病院やデイサービスに勤しむ・・・

 

 それと意外と田舎の人は資産はあるが、実は手元に現金を多く持っている人は少なかったりする。

 

 さて区長も関係はあるが、最大の仕事は冠婚葬祭業務があり、その葬儀委員長はその地区の役の人が担当する。場取りと言う板を立てる場所があり葬儀が始まる連絡をする。この場取りは同じ時期に葬儀が重なる事も不思議とある事で順番を知らせる意味もある。板が建った次に別口で葬儀があるとその横にまた建つ。お坊さんや宗派はここでは決まっていて選択の余地はない。当然、重なると葬儀のハシゴなんてお坊さんも住民も普通だ。

 とにかく人が無くなると親族や兄弟に知らせると同時に役に当たる人にも知らせなければならない。主な段取りをする必要があるからだ。

 昭和の時代なら葬儀業者など無くても地域で全部問題なく地域で出来ていたのだから今の人には信じられないだろう。会社員なら自分の直接の身内以外の法要で休める人がどの位いるだろう・・・さすがに最近はそこまでの拘束は無くなってきたし、当地区でも会館を借りての家族葬が増えてきたが・・・

 

~続く~