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地域のコミニュティからの独立 その6

 来店される方も高齢化が進み年々、亡くなられる方が増えつつある。ついに客が0と言う日も珍しくなくなってきた。

 

 勿論、新規に来てくれる方や戻ってきてくれた方もあるにはある。だが、貴重な子供はサービス料金の上、ある程度大きくなると地区を離れる。今ではそれは当たり前の事になっている。新規のお客さんは免許返上でココしか来れないと言う消極的な理由の人もあり、新規なのに齢は80歳オーバーなんて事も・・・

 

 売り上げは年に10%前後の下がり幅で5年で6割~半分くらいになっている。さすがにこれでは生きていけなくなってきた。コレを補うために店を一時的に閉めての訪問カットや定休日に施設の仕事を入れる形で何とか進めてきた事業が今や仕事の半分を占める事に。

 時代の流れとは言え田舎で商売を続けるのがいかに困難かお分かり頂けるだろうか。この訪問仕事を入れるが故にいつでも開いている店がそうで無くなっているようになり、コレによる失客も確かにあるとは思う。それでも改装した最新設備の店と言う売りだけでは難しすぎる。多くの人に言われた立地・・・これが今、想像以上にのしかかっている。立地や地域性だけで稼いでいるうつ病の下手くそな職人がいるんだものなぁ・・・やっぱり凹む・・・

 

 冷静に考えて100%拾える仕事はできない。残念だけどそれは仕方ないし商売なら誰でも経験する事。

ワタクシもそうだが、便利に慣れると不便が辛い。昨今のコンビニ労働問題が最たるもの。

 

 今のやり方を貫けば通常の仕事はリカヴァリー出来ない事も多々あるようになっている。それでも生活を考えなければならないし、隠居商売にできない。捨てる事、拾う事。これが大事になってくる。

 

これを飲み込むのも時間がかかりました。ほんとに悩みました。今でも悩みます。

 

 やっと訪問事業が軌道に乗ってきている今、仕事以外の異常な負担に応えれる事がもう出来なくなっている・・・請け負わないと客でもない地域の連中が事情も理解せずクレームだけ入れてくる。親戚も無いし、どこかでよそ者が・・・(もう当地で80年いるが)とか地域のおかげで商売やれているのに・・・と未だに思っている輩もいるんだからたちが悪い。

 

 会議の度に顔を合わせる連中のなんと薄情な事か・・・かつてのお客も今は知らん顔。経済事情もあるだろうが、当店は普通店として料金的には高くないはずだ。チェーンの大衆や10分カットとは比較できないが・・・

 

 特にウチの地区の顧客率はこれまた酷い。かつては50%くらいは顧客だったが今や1、2人。商売人はウチだけなので地域行事やイベント・会合に考慮してくれることは皆無である。ひょっとして談合して行かないようにしているのか?と勘繰りたくなる。

 地区の何かがある場合には店を閉める。今やお客さんは外部の人が多いのに何度も書くがリカヴァリーできない。ワタクシ、今はほとんど休みのない状態で自営でないととんでもないブラックであるし雇われなら死んでいる・・・

 

 店を改装してようやくやりたい形になってきた。お金を入れずにネットで宣伝しているので時間はかかってるが少しづつソレを見てきてくれる人やキャッシュレス対応を導入したおかげもあり、この辺鄙な場所で売り上げの下げ止まりが見えてきた所。

 

 この地区のお客の少なさと将来性、勝手な言い分と生活の為の地域負担と今や外部のお客様やHPを見て予約を考慮してくださる人等を比較してみると答えは決まってる。まだワタクシは30年は現役で働かなくてはならないから・・・ローンもあるし・・・貯金はないし・・・80年の歴史を思えば、悩むけど・・・

 

 でも仮に周囲のお客様全部を失っても仕事を続けていける方法を探る方が心身共に健康でいられるような気がする。もしそうなれば提携の会社からの仕事を増やしたりする事も考えて良いかもしれない。

 

 またワタクシ自身の体もそれ程、健康ではない為、正直ありすぎた仕事ならできない理由もある。まぁそんな事にはならないが、休みはキッチリなくとも今のスタンスでしばらくは進むしかない状況であり、地域との別れを決断する時期に来ている。元々疎外感はあったし仲良かった同級生も今やこの地区から出ている。コソコソ話はもう気にしない。挨拶出来ないならいない者と考える。未練はもう断ち切った!

 一度距離を置くことによって見える事もあるかもしれない。理不尽に対して意見が言えるかもしれない。地域では若手であるワタクシを追い込んだ環境をどう感じるか?知るチャンスでもある。ひょっとしたら後に続く者がでるかも?しれない。

 

 でも何も変わらないかもしれない。

 

~続く~